YT臨床矯正セミナー 基礎コース 第5回目に参加してきました。|高崎ハルナモ歯科||高崎市の歯医者・歯科|コープみさと店内

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YT臨床矯正セミナー 基礎コース 第5回目に参加してきました。|高崎ハルナモ歯科||高崎市の歯医者・歯科|コープみさと店内

YT臨床矯正セミナー 基礎コース 第5回目に参加してきました。

 いつもお世話になっております。高崎ハルナモ歯科の深澤です。2024年8月7日は休診にさせて頂き、武内豊先生のYT臨床矯正セミナーの第5回目に参加して来ました。今回は、リンガルアーチと床矯正装置についての講義と自在鑞着の実習の続きでした。

 リンガルアーチは日本語に直すと舌側弧線装置といい、1918年にJ.M.Merhonが考案し、100年以上使われてきた歴史を持つ装置です。様々な矯正装置が考案されては消えていく中で、長年使用されているのは理由があります。構造がシンプルで、矯正力のコントロールが容易であり、バリエーションが多いことです。リンガルアーチは、歯に装置をくっつけておくための維持装置、歯の裏側に沿わせる主弾線、実際に歯を動かす補助弾線で構成されています。ワイヤー矯正では歯列全体に力が加わるため、特定の歯のみ力を加えたり移動させるというのは難しいのですが、リンガルアーチでは補助弾線が接している歯のみが動くため、矯正力や移動方向のコントロールが非常に容易です。構造自体が単純なため、オプションのパーツを取り付けやすく、多様な目的に合致した装置を作りやすいのも、リンガルアーチの特徴です。

 床矯正装置ですが、1836年頃からF.C.Knieselなどが使用していたようですが、今日的な意味での床矯正装置は1919年にC.A.Hawleyが提唱したホーレータイプの保定装置が原型です。基礎床といわれる粘膜を覆う部分と、装置を維持するためのクラスプ、矯正力を発揮する能動素子から構成されている、これまた単純な装置です。リンガルアーチと同じく単純な構造のため、さまざまな派生バージョンがあり応用範囲の広い装置です。この装置の派生バージョンの中に、Active Plateと言われるものがあります。これはは.Robinが1902年に拡大ネジという能動素子を開発し、歯の移動を可能になったこちから始まり、その後様々なバリエーションが考案されました。多様なActive Plateタイプの床矯正を体系化し1938年にA.M.Schwarzが書籍を出版しました。この後、ドイツでActive Plateタイプの床矯正は急速に普及していきます。当時のドイツはナチス・ドイツ政権下で第一次世界大戦での賠償金支払いのため、経済再建のため歯科治療などでの金の使用が禁止されました。当時の矯正装置は金合金が使用されていため、金合金を使用しない床矯正に移行せざるを得なかったのです。なお、当院では、床矯正装置は乳歯期や大人の歯と子どもの歯が萌え変わる混合歯列期の矯正に使用しています。

 第3回目からろう着の自習を行っていますが、ほとんど矯正の時にしか使わないテクニックなので、みんなで四苦八苦しながら行いました。だんだん出される課題が実践的になってきており難易度が上がるので、自分のレベルが上がっても毎回大変なのをいつも感じています。それと同時に技術的な向上を認識できます。今回は宿題もあるので、復習とともにしっかりとやって次回に繋げていきたいと思います。