GPO7月定例会に参加しました。|高崎ハルナモ歯科||高崎市の歯医者・歯科|コープみさと店内

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GPO7月定例会に参加しました。|高崎ハルナモ歯科||高崎市の歯医者・歯科|コープみさと店内

GPO7月定例会に参加しました。

 いつもお世話になっております。高崎ハルナモ歯科の深澤です。

 2024年7月18日(木)は診療終了後、GPO主催の定例会にWEB参加しました。GPOは米澤大地先生が主催される矯正のスタディーグループです。今回は参加している2人の先生の症例発表でした。

 1人の先生の発表は、2級症例をセクショナルアーチを用いてスリーインサイザルに仕上げた症例でした。乳歯列のすぐ後ろから6歳頃はえてくる大人の歯を、第1大臼歯といいます。矯正では上下の第一大臼歯の位置関係を、1級、2級、3級と3つに分類します。これをAngleの分類と言います。簡単に言うと、1級では大臼歯の位置は正常傾向と考え、2級と3級では大臼歯の位置が出っ歯傾向と受け口傾向と考えます。矯正では大臼歯を固定源にして歯を動かすので、2級や3級は固定源の歯も絶妙に動かして位置を改善しなければならないので非常に難しいケースとなります。矯正で歯を抜く場合、多くは小臼歯というやや小さめの奥歯を抜きます。今回の発表は下顎の前歯も抜歯して仕上げられているケースでした。前歯を抜歯するのは対称性の問題もあり非常に難易度が高くなるため、よほど歯並びがガタガタでないとやりません。そのため3本の前歯で仕上げるものはスリーインサイザルという用語があるくらい、かなり特殊なケースとなります。発表では、2級の改善とスリーインサイザルで仕上げるという、2つの大きな問題を抱えていましたが、これをセクショナルアーチという工夫で改善されていました。セクショナルアーチとはすべての歯に矯正力をかけるのではなく、動かしたい歯には力をかけ、動かしたくない歯には力をかけないというやり方です。これをステージ毎に巧みに使い分けアーチを整えていく様は非常に勉強になりました

 もう1人の先生の発表は、上顎の第一小臼歯と第一大臼歯を抜歯して出っ歯を直された症例でした。歯並びの改善のために抜歯をすることはよくあり、第一小臼歯が選択されることが多いです。ここまでは通常のケースなのですが、今回のケースは第一大臼歯の状態が非常に悪く、この歯も抜歯をせざるを得ない状態でした。第一大臼歯は通常固定源として利用するため、この歯がないと矯正の難易度が非常に上がり、矯正自体が行えないこともあります。そのためTADsという矯正用のインプラントを固定源として活用しつつ、第二大臼歯、第三大臼歯を移動させ、第一大臼歯のスペースを埋めて奥歯の咬合を改善されているのは非常に感銘を受けました。

 診療後で疲れていましたが、非常に勉強になる症例発表を聞くことができ、充実した時間になりました。自分もいつかこういう場で発表ができるように精進していきます。