インプラントの被せ物が取れた・ぐらつくときは?原因と対処、何年もつか・10年保証を歯科医師が解説
- 2026年10月15日
- インプラント
「インプラントの被せ物がポロッと取れた」「かむとインプラントの歯がぐらぐらする」。インプラントは天然の歯と同じようにしっかりかめる治療ですが、被せ物(人工の歯)やそれを留めるネジは部品なので、緩んだり外れたりすることがあります。この記事では、インプラントの被せ物が取れた・ぐらつくときの原因と、受診までの対応、インプラントが何年もつかを左右すること、そして当院の10年保証の条件を、歯科医師の立場からご説明します。
この記事の要点
- インプラントのぐらつきは、「被せ物・ネジ」が原因か、「インプラント本体」が原因かで対応が大きく変わります。
- 被せ物が取れたら、捨てずに保管し、市販の接着剤で付けずに早めに受診してください。
- インプラントが何年もつかは、定期メンテナンス・インプラント周囲炎の予防・かみ合わせで大きく変わります。
- 当院で自由診療によりお入れしたインプラントには10年間の無料保証があります(3ヶ月に1度の定期メンテナンスの継続が条件)。
まず確認したいこと|ぐらついているのは「被せ物」か「本体」か
インプラントがぐらつくとき、最初に見分けたいのは動いているのが被せ物なのか、骨に埋まっているインプラント本体なのかです。前者は部品の問題であることが多く、後者は骨や歯ぐきの問題が疑われます。
インプラントは、骨に埋め込むインプラント本体(人工歯根)、その上に付けるアバットメント(連結部)、最後に装着する上部構造(被せ物)の3つの部品でできています。被せ物は、ネジで留める方法(スクリュー固定)か、歯科用の接着材で付ける方法(セメント固定)のどちらかで固定されています。
被せ物だけがカタカタ動く、または外れた場合は、ネジの緩みや接着の外れが原因であることが多く、部品を締め直したり付け直したりして対応できる場合があります。一方で、歯ぐきから出血や膿が出る、歯ぐきが腫れている、インプラント全体が根元から動く、という場合は、インプラント本体を支える骨が減っている可能性があります。この場合は早めの受診をおすすめします。
被せ物が取れる・ぐらつく主な原因
被せ物のトラブルの多くは、部品にかかる力とインプラントの周りの炎症のどちらかが原因です。主なものを挙げます。
- ネジの緩み:かむ力が繰り返しかかることで、被せ物やアバットメントを留めているネジが少しずつ緩むことがあります。
- 接着の外れ:接着材で付けている被せ物は、年月とともに接着が弱くなり外れることがあります。
- 被せ物の欠け・割れ:硬いものをかんだときなどに、被せ物のセラミックが欠けたり割れたりすることがあります。
- 部品の破損:まれに、ネジやアバットメントそのものが折れたり変形したりすることがあります。
- 歯ぎしり・食いしばり、かみ合わせの変化:強い力が一部に集中すると、ネジの緩みや被せ物の破損が起こりやすくなります。
- インプラント周囲炎:インプラントの周りの歯ぐきと骨に起こる炎症です。進むと骨が減り、インプラント本体がぐらつく原因になります。
天然の歯と違って、インプラントには歯と骨の間のクッション(歯根膜)がありません。そのため強い力がそのまま部品に伝わりやすく、定期的にネジの締まり具合やかみ合わせを点検することが大切です。
被せ物が取れたときの対応|受診までにしてほしいこと
被せ物が取れたら、取れた被せ物を捨てずに保管し、早めに歯科医院へ連絡するのが基本です。受診までは次の点に気をつけてください。
- 取れた被せ物は保管する:軽く水で洗い、ケースや小さな袋に入れて受診時にお持ちください。傷んでいなければ付け直せることがあります。
- 市販の接着剤で自分で付けない:位置がずれたまま固まると、かみ合わせが狂ったり、ネジ穴がふさがって処置が難しくなったりします。
- その部分でかまない:アバットメントが出ている状態で強くかむと、部品や歯ぐきを傷めることがあります。反対側でかむようにしてください。
- やさしく清潔に保つ:歯ぐきやアバットメントの周りも、やわらかい歯ブラシでやさしく磨いてください。
- 飲み込んでしまった場合:むせた、せきが続く、息苦しいといった場合は、気管に入った可能性があるため医科を受診してください。
痛みがなくても、ネジが緩んだまま使い続けると、ネジや部品が壊れて修理が難しくなることがあります。「ぐらつくけれど痛みはない」という段階での受診をおすすめします。
インプラントのぐらつき・外れは、早めにご相談ください
被せ物が取れた、かむと動く、歯ぐきが腫れているなど、気になる症状があればお電話またはWEB予約からご連絡ください。
WEB予約はこちら / お電話 027-393-6173(10:00〜19:00・火曜休診)
他の歯科医院で入れたインプラントの場合
他院で入れたインプラントのトラブルは、まず治療を受けた医院に相談するのが近道です。インプラントはメーカーごとにネジや部品の形が異なり、どの種類が使われているかがわからないと、締め直しや部品の交換ができない場合があるためです。
転居などで治療を受けた医院に通えない場合は、お口の状態を拝見し、レントゲンなどで確認できる範囲でご説明します。ただし、インプラントの種類によっては対応できる範囲が限られることをあらかじめご了承ください。治療を受けた医院名や、手元にあるインプラントの保証書・説明書があれば、受診時にお持ちいただくと確認がスムーズです。
インプラントは何年もつ?|年数を左右する3つのこと
インプラントは何年もつかを約束できる治療ではありません。ただ、長く使えるかどうかは、治療のあとの過ごし方で大きく変わります。特に影響が大きいのは次の3つです。
1. 定期メンテナンスを続けているか
インプラントはむし歯になりませんが、周りの歯ぐきや骨は炎症を起こします。歯科医院での定期的なクリーニングと、ネジの締まり具合・かみ合わせの点検が、トラブルの早期発見につながります。
2. インプラント周囲炎を防げているか
インプラント周囲炎は、初期には自覚症状が出にくい病気です。喫煙、コントロールが不十分な糖尿病、歯周病の既往などはリスクを高めます。毎日の丁寧な歯みがきに加え、全身の状態を整えることも大切です。
3. 強すぎる力がかかっていないか
歯ぎしりや食いしばりが強い方は、被せ物の破損やネジの緩みが起こりやすくなります。就寝時にマウスピースを使っていただくなど、力の対策をご提案することがあります。
なお、被せ物は長く使ううちにすり減ったり欠けたりすることがある部品です。インプラント本体が健康でも、被せ物は将来的に交換が必要になることがあります。
当院の10年保証と、保証を受けるための条件
当院で自由診療によりお入れしたインプラントには、10年間の無料保証をご用意しています。保証期間内に修理や再装着、作り直しが必要になった場合、費用はいただきません(保証書を発行します)。
保証をお受けいただく条件は、3ヶ月に1度の定期メンテナンスにご来院いただくことです。次の場合は保証の対象外となります。
- 患者様ご自身の不注意や、事故などによる破損
- 当院からの注意事項をお守りいただけなかった場合
- 明らかに当院の責任範囲外と判断されるケース
- 定期メンテナンスを継続されなかった場合
- 保険診療で行った治療(本保証の対象は自由診療に限ります)
保証期間外の場合や、保証の対象外となる場合に部品の交換や作り直しが必要になったときは、状態を確認したうえで費用をお見積りします。参考までに、当院の料金表では上部構造(人工の歯)が132,000円(税込)、アバットメント(連結部)が55,000円(税込)です。
これからインプラントを検討される方へ|費用・期間・リスク
当院のインプラントは、1本あたりの基本料金が合計363,000円(税込)です(診断料・インプラント本体・アバットメント・上部構造の合計)。骨が足りない場合の骨造成などは別途費用がかかります。自由診療のため健康保険は適用されません。内訳とオプションの費用は料金表のページ、治療の流れはインプラントの費用・流れ・リスクの記事で詳しくご説明しています。
治療期間・回数:検査・手術・型取り・装着と、複数回の通院が必要です。インプラント本体が骨としっかり結合するまで、一般的に数ヶ月の期間をおきます。骨造成を行う場合や骨の状態によってはさらに長くなるため、実際の期間は検査のうえでお伝えします。
リスク・副作用:手術後の腫れ・痛み・内出血、神経や上顎洞(鼻の横の空洞)への影響、インプラント本体が骨と結合しない場合があること、治療後のインプラント周囲炎などがあります。持病やお飲みのお薬によっては、治療を慎重に判断する必要があります。
よくあるご質問
インプラントの被せ物が取れたらどうすればいいですか?
取れた被せ物を捨てずに保管し、できるだけ早く歯科医院に連絡してください。市販の接着剤で自分で付けるのは避け、受診までは反対側でかむようにします。
取れた被せ物はそのまま付け直せますか?
被せ物やネジが傷んでいなければ、付け直せることが多いです。ただし、被せ物が割れている場合やネジ・連結部が壊れている場合は、部品の交換や被せ物の作り直しが必要になります。
インプラントは何年もちますか?
何年もつかを約束できる治療ではありませんが、定期的なメンテナンスを続けることで長く使える可能性が高まります。インプラント周囲炎の予防、喫煙や糖尿病などの全身の状態、歯ぎしりやかみ合わせが年数を大きく左右します。
当院のインプラントに保証はありますか?
あります。当院で自由診療によりお入れしたインプラントには10年間の無料保証があり、保証期間内の修理や再装着、作り直しには費用をいただきません。3ヶ月に1度の定期メンテナンスの継続が条件です。
他の歯科医院で入れたインプラントでも診てもらえますか?
状態を拝見することはできます。ただし、インプラントはメーカーごとに部品が異なるため、種類がわからないと対応できる範囲が限られることがあります。まずは治療を受けた医院にご相談いただき、難しい場合はお問い合わせください。
監修:深澤 充(ふかざわ みつる)/高崎ハルナモ歯科 院長
九州歯科大学卒業。群馬大学医学部附属病院 歯科口腔外科、前橋赤十字病院 歯科口腔外科を経て現職。
所属:日本口腔外科学会/日本舌側矯正歯科学会/JIADS CLUB/GPO矯正/SAFEインプラント/日本小児矯正研究会
インプラントを長く使っていただくために
インプラントは入れて終わりではなく、入れたあとの点検と手入れで使える年数が変わる治療です。被せ物が取れた、ぐらつく、歯ぐきが腫れるといった変化は、早めに対処するほど処置が小さくて済みます。気になることがあれば、痛みが出る前にご相談ください。
高崎ハルナモ歯科は群馬県高崎市箕郷町上芝のコープハルナモ内にあります。
インプラントのご相談・定期メンテナンスのご予約
これからインプラントを検討されている方も、すでにインプラントが入っている方も、お気軽にご連絡ください。
WEB予約はこちら / お電話 027-393-6173(10:00〜19:00・火曜休診)
当院の診療について



