ONE COURSE 2024 TOKYO第3期の第5回目と第6回目に参加してきました。
- 2025年3月30日
- ONE COURSE,学会・セミナー等,未分類
いつもお世話になっております。高崎ハルナモ歯科、歯科医師の深澤充です。
12月14日(土)、15日(日)は医院をお休みにさせて頂き、ONE COURSE TOKYO第3期の5、6回目に行ってきました。今回は、ワンガイドというガイデッドサージェリーに関連する手技などを学習させて頂きました。
インプラントを埋入する際には、ガイデッドサージェリーとフリーハンドの大きく2つのやり方に分けることができます。ガイデッドサージェリーとは術前にCTなどのデーターをもとに、インプラントの埋入位置を設定し、その位置に埋入するためのマウスピースを作製して、手術を行う方法です。フリーハンドは、マウスピースなどは作製せずに、術前のCTを参考にしてインプラントを埋入する方法です。今回の研修内容であるワンガイドは、オステムからでているガイデッドサージェリー用のマウスピースのことです。
ちなみに、私はガイデッドサージェリーもフリーハンドも両方行いますが、より安全確実に行えるのはガイデッドサージェリーなので、開業以来すべてのインプラントオペでは手術用のマウスピースを作っています。
1日目は、ショートインプラントとGBRについてでした。ショートインプラントとは、長さが8ミリ以下のインプラントのことをいいます。通常の長さのインプラントを使用すると神経を傷つけてしまう可能性があったり、手術が大掛かりになる時に使用します。ショートインプラント自体は何症例か経験はあるのですが、今回のセミナーで取り扱ったような4〜5mmのインプラントは触ったことがなかったので非常に勉強になりました。今回使用したショートインプラントは、メガジェンやバイコン、ZimVieなどでも取り扱いがありますが、ガイドまで完備したシステムはオステムしか私は知りません。通常の長さのインプラントを使用すると下歯槽神経損傷のリスクが高いときは、長さの短いショートインプラントを使用します。更にガイドを用いることで術前に予定した埋入深度がほとんど変わることがないため、かなり安全に手術を行うことができます。
GBRとはGuided Bone Regenerationの略語で、日本語では骨誘導再生法といいます。簡単にいうと骨をつくる技術のことです。小規模なGBRでは骨補填材(骨の元になる材料です)の上に吸収性のメンブレン(骨を作るのを助ける膜のことです)を置くだけですが、中~大規模のGBRではディコルチケーションといって骨に細かい穴をあけたり、チタンメッシュで形態を付与する必要があります。GBRで重要なことの1つに、骨補填材が動かないようにすることがあげられます。骨を作る範囲が小さければ骨補填材の上からメンブレンを被せるだけで動くことはないのですが、中~大規模のGBRでは骨補填材の上にメンブレンを置いただけでは形が崩れてしまいます。そのためチタンメッシュを骨補填材の上に被せて形が崩れないようにしてあげる必要があります。チタンメッシュ使用の際には、ボーンタッグという小さな釘を骨に挿して固定する必要があります。そのため、インプラント埋入に加えてチタンメッシュを使用した大掛かりなGBRが必要になり、処置が煩雑になります。今回のセミナーではオスビルダーというチタンメッシュを使用することで、中~大規模なGBRをかなり簡略化できる方法を学びました。これはチタンメッシュの固定を骨に求めるのではなく、インプラント体で固定を行うため、ボーンタッグなどを骨に打ち込む必要がなくなります。結果としてかなり処置を簡略化でき、患者さんへの負担を減らすことができます。
セミナー終了後は白鳥清人先生の特別講演がありました。白鳥先生は歯周病やインプラントで、レジェンド級の先生です。一度講演を拝聴したいと思っていましたが、思わぬ時に機会を得ることができました。1つ1つの症例が美しく、感銘を受けました。特に上顎前歯部のインプラント埋入で鼻腔近くの自家骨を採取する方法は、非常に画期的な方法で、まさにこれこそが臨床だという印象をうけました。
セミナー終了後は懇親会に参加させて頂き、色々な先生と意見交換ができ、非常に勉強になりました。この懇親会には別の勉強会で知り合った先生もお見えになっており、近況を報告しあい、お互いにまた同じセミナーに参加することがわかったので次の再会を約束し合いました。私にとって懇親会等で色々な先生と治療について話し合うときが、人生で一番楽しい瞬間です。
2日目はナローインプラントと全顎症例へのアプローチでした。ナローインプラントとは幅が狭いインプラントのことで、大体直径3mm程度のインプラントをいいます。もっとも幅の狭いタイプでは直径2mmまであります。下顎前歯部のように骨幅が狭い部位へ使用することや、テンポラリーインプラントとして使用します。テンポラリーインプラントとは永続的に口腔内に留まることを目的としたインプラントではなく、短い期間だけ機能することを目的としたインプラントのことをいいます。骨とインプラントがくっつくことをオッセオインテグレーションといいます。オッセオインテグレーションする前に、インプラント体に荷重をかけると、オッセオインテグレーションしなかったり、長期的な予後が不良になることがあります。通常のインプラントがオッセオインテグレーションする前に補綴物を装着したい場合に、一時的な使用を目的としてテンポラリーインプラントに荷重させるために使用します。ナローインプラントは埋入方法や補綴の仕方が、通常のインプラントと異なる点がありますが、非常に有用なので当院でも取り入れていきたいと思います。
全顎症例は、簡単にいうと全部の歯がない人の治療のことです。通常の治療と異なる点は、アンカーピンを設定する必要があることです。インプラント埋入用のガイドは歯牙と粘膜に支持を求めるのですが、全顎症例では歯牙がないため粘膜に支持を求めることになります。粘膜は可動性があり、ガイドがずれてしまう可能性があります。ガイドがずれてしまうと術前にシュミレーションした位置からインプラントの埋入位置がずれてしまうことがあり、これではガイドを作った意味がありません。ガイドがずれないようにするために、アンカーピンというのを使って、ガイドを骨に固定します。こうすることで、ガイドが術中にずれることがなくなり、予定通りの埋入ができます。そのため、全顎症例はアンカーピンが治療の成功の鍵となります。今回はアンカーピンの基本的な取り扱いと位置をどこにするかを学ばせていただきました。
3ヶ月間という短い期間でしたが、講師の洪先生をはじめインストラクターの先生方の熱い講義と実習のおかげで、インプラント治療への理解と技術が向上しました。