YT臨床矯正セミナー 基礎コース 第4回目に参加してきました
- 2024年7月22日
- YT臨床矯正セミナー,学会・セミナー等
いつもお世話になっております。高崎ハルナモ歯科の深澤です。
2024年7月10日は医院をお休みにさせて頂き、武内豊先生のYT臨床矯正セミナーの基礎コース第4回目を受講しました。
第4回目は午前中に歯の移動、固定、MTMに関する講義を、午後は鑞着の実習を受けました。
歯の移動の種類は、傾斜移動、歯体移動、挺出、圧下、回転の5つがあります。これらの移動に際しての歯周組織の変化について基礎医学から掘り起こした解説をして頂きました。力の強さや年齢により、組織の変化が変わっていきます。これらを意識することで、適切な治療期間を設定することが可能になります。
矯正では歯を動かすための固定源を決めます。歯を移動させるために力を加えると、移動方向とは逆向きの力が固定源に加わります。一般的に移動させる歯は前歯で、固定源にする歯は奥歯が多いです。歯をきれいに並べるスペースが足らない場合、抜歯をしてスペースをつくり、その空いたスペースに歯を移動させてきれいに並べます。この時、移動させる歯ほどではありませんが、固定源の歯にも力が加わり、固定源の歯も動きます。固定源の力が弱いと必要以上に歯が動いてしまい、歯を並べるスペースが小さくなりきれいに並べることができなくなったり、噛み合せが狂ってしまうことがあります。逆に奥歯が全く動かず、抜歯をして作ったスペースが閉じられず、すきっ歯になってしまうこともあります。固定源の歯の移動量を如何にコントロールするかが、矯正の成否を決めるとも言われています。固定源の性質や種類を再度確認し、固定への理解を深めることが出来ました。
M.T.Mは、L.O.T、部分矯正又は小矯正と言われる1本から数歯だけの歯の位置を変えたいときや、ブリッジやインプラントを理想的に治療するために行う矯正のことです。(ちなみに歯並び全体を改善する矯正は全顎矯正、C.O.Tと言います。)奥歯が1本だけ舌側又は頬側に傾いている時や、前歯のガタツキが少しあったり隙間が空いている時には、M.T.Mが適用になります。またブリッジを入れる時に、歯が倒れていると必要以上に削ったり神経を抜く必要が出てきます。この時、倒れてしまった歯をM.T.Mで起こしてあげると不必要に歯を削らずに済んだり、神経を取る必要性が無くなります。歯の根っ子だけ残って、それを抜歯してインプラントを入れる場合、歯の根っ子を引っ張ってあげると骨が出来てくるので、インプラントがスムーズに入れられるようになることもあります。このように非常に応用範囲が広いM.T.Mですが技術的には非常に複雑で、全顎矯正よりも難しいと言われています。またM.T.Mで用いられる矯正装置は目的ごとに異なるため、今回は奥歯が1本だけ舌側又は頬側に傾いている際に、どのように改善するかを中心に講義していただきました。
午後の鑞着実習は前回の続きで、今回はより実践を意識してM.T.Mで教わった矯正装置を作っていきました。舌側又は頬側に傾いている奥歯を整直する方法としては、今までTADsという矯正用インプラントを用いた方法で行っていたので、ワイヤーのみで整直する手技は初めて見たので非常に勉強になりました。
毎月第2水曜日は勉強会のため医院を休診にさせて頂きます。
患者の皆さんにご迷惑をお掛けしますが、よりよい医療を提供するために、技術向上はどうしても欠かせませんので皆様のご理解を頂けたら幸いです。