YT臨床矯正セミナー基礎コースの第10回目に行ってきました。
- 2025年2月13日
- YT臨床矯正セミナー,学会・セミナー等
高崎ハルナモ歯科の深澤です。
新年早々の1月8日は医院をお休みにさせて頂き、YT臨床矯正セミナー基礎コースの第10回目に参加してきました。今回のテーマは、保定、歯根吸収、矯正治療の時期と治療法でした。
保定とは矯正によって動かした歯の位置が変わらないように固定することです。矯正によって動かした歯は、もとの歯並びに戻ろうとする傾向にあります。そのため、治療後の歯並びを維持するために、保定装置をいれて状態を維持する必要があります。保定装置は、固定性保定装置(歯の裏側にワイヤーを回す方法が一般的です)と可撤式保定装置(ホーレーTypeの保定装置というものがよく使われます)に別れます。それぞれに長所・短所があり、患者さんのキャラクターなどをみながら選択をする必要があります。
歯根吸収とは、歯の根っこが骨の中で吸収していくことをいいます。歯根吸収には、歯の内部から吸収が起こる内部吸収と、歯の外側から吸収が起こる外部吸収の2種類があります。外傷や根管治療など、様々な原因で歯根吸収が起こることがあります。矯正では、歯を動かすために外力を加えますが、それが原因で歯根吸収が起こることがあります。すべての矯正の患者さんに起こるわけではありませんが、起こる可能性がある矯正の偶発症の1つです。原因が明確なら回避することも可能なのですが、確実な原因となる因子はまだ特定されていないため、レントゲンなどを撮影し歯根吸収が起きていないかを確認していき、もし起きてしまったら治療ゴールを変更するしか手立てが無いのが現状です。
矯正治療の時期と治療法は、矯正治療全体を貫く大きなテーマです。矯正治療は、ある意味歯周病の治療と似ているのですが、患者の協力度によって治療結果が大きく変わってきます。4歳頃から意思や情操などが発達してくるといわれているため、矯正治療への協力が4歳からであれば可能とはいわれていますが、実際は難しいことが多いです。そのため、親御さんの協力度、お子さん本人の理解度や発育具合を加味して治療計画や装置を選択していきます。
2月からいよいよワイヤー矯正の実習に入ります。スタンダード法という、普段行っている矯正のテクニックとは違う方法なので今から楽しみです。1つでも多くの知識や技術を習得して、患者さんに還元できるように精進していきたいと思います。