YT臨床矯正セミナー特別コース 第3回目に行ってきました。
- 2025年7月11日
- YT臨床矯正セミナー,学会・セミナー等
いつも大変お世話になっております。高崎ハルナモ歯科 院長の深澤充です。当院は箕郷町のコープ敷地内で、地域の皆さまのお口の健康をサポートさせていただいております。日々の診療では、患者様一人ひとりのライフスタイルやご要望に合わせた最適な歯科医療を提供できるよう、スタッフ一同、常に知識と技術の研鑽に励んでいます。
先日6月19日、医院を休診とさせていただき、YT臨床矯正セミナーの第3回目に参加してきました。このセミナーは、千葉県市川市という、決して交通の便が良いとは言えない場所で開催されています。また、一般的な歯科専門誌で大々的に告知されているわけでもありません。それでも毎年、日本全国から多くの歯科医師が受講に訪れるのは、講師である武内豊先生の深い学識と、その類まれなるお人柄に強く惹きつけられるからに他なりません。私もその一人として、毎回、歯科医師としての視野を広げ、日々の診療に活かせる貴重な学びを得ています。
武内先生は、長年にわたり矯正歯科治療の分野で第一線をご活躍されており、その臨床経験と研究成果は、日本の矯正歯科医療を牽引する存在と言っても過言ではありません。セミナーでは、教科書的な知識だけでなく、実際の臨床現場で直面する複雑な症例への対応策や、最新の治療技術、そして何よりも患者様と向き合う姿勢といった、実践的かつ本質的な内容が惜しみなく伝えられます。先生の講義からは、単なる技術論に留まらない、矯正治療に対する情熱と患者様への深い配慮が常に感じられ、それが受講生たちの学ぶ意欲を掻き立てる大きな要因となっているのだと感じています。
今回、第3回目となるセミナーでは、第1回目から継続してきた症例分析の最終回でした。矯正治療において、私たちが患者さんのお口の中の歯並びだけを診るのではなく、お顔全体のバランスや将来的な変化までを考慮する上で、セファロと呼ばれる規格化されたレントゲン写真は不可欠な存在です。このセファロ写真は、治療の診断段階だけでなく、治療期間中にも複数回撮影されます。これにより、顎の骨格や歯の位置関係の変化を時系列で追跡し、治療の進行状況を客観的に評価することが可能になります。
セファロ写真には、頭蓋骨、顎骨、歯などの様々な計測点が設定されています。これらの計測点間の距離や角度を数値的に分析することで、患者さん固有の骨格的な特徴や歯並びの問題点を詳細に把握できます。例えば、上顎と下顎の前後的な位置関係、それぞれの顎の大きさ、歯の傾斜角度、顔の高さのバランスなど、多角的な情報を得ることができ、これらが精密な治療計画を立てる上での重要な根拠となります。
そして、これらの多数の計測点の中から、特に顔の側貌に関連する特定の点を線で結び合わせることで、まるで患者さんの側貌を描いたかのような画像が生成されます。これをプロフィログラムと言います。プロフィログラムは、実際の顔の輪郭を表現したもので、治療前後の顔貌の変化を視覚的に捉えることを可能にする、非常に優れた診断ツールです。
プロフィログラムの最大の特徴は、セファロ分析で得られる数値データだけでは把握しにくい、治療による顔貌の変化を直感的にビジュアル化できる点にあります。数値の羅列だけでは、一般の患者様にはなかなかその意味が伝わりにくいものですが、プロフィログラムを治療前と治療後で重ね合わせることで、顎の位置の変化、歯の移動が直感的に把握できるようになります。これにより、術者である私たちが治療の成果や改善度合い、変化の方向性を明確に判断できるだけでなく、患者さん自身もご自身の顔がどのように変化したのかが把握しやすくなります。
午前の症例分析が終了後、昼食は武内先生いきつけの中華料理屋さんで美味しいランチをいただきました。そして、午後の講義では大臼歯の後方移動について深く掘り下げて学びました。
大臼歯の後方移動とは、奥歯である大臼歯をさらに奥へと移動させることで、前歯をきれいに並べるためのスペースを確保する矯正治療の技術です。従来、歯が並ぶスペースが不足している場合、健康な歯を抜歯することでスペースを確保するケースが少なくありませんでした。しかし、大臼歯の後方移動が可能になることで、抜歯を回避できる可能性が大きく広がり、患者さんの身体的・精神的負担を軽減することができるようになりました。
講義では、この大臼歯の後方移動を実現するための様々な装置の適応症、そしてそれぞれの装置が持つ長所と短所について、非常に詳しく解説していただきました。例えば、かつて主流であった顎外固定装置(ヘッドギア)は、患者さんの協力度が治療結果に大きく影響しますが、確実な後方移動を可能にします。一方で、最近では口腔内に設置するアンカースクリュー(一時的に骨に埋め込む小さなネジ)を用いることで、患者さんの協力度に左右されにくい、より効果的で予測性の高い後方移動が可能になりました。。
これらの多様な装置の中から、患者さんの骨格、歯並びの状態、治療目標、そしてライフスタイルを考慮し、最も効果的で患者さんにとって負担の少ない方法を選択することが、成功する矯正治療には不可欠です。各装置が持つ特性を深く理解し、適切に使いこなすことで、より効果的な治療計画を立案し、患者さん一人ひとりにとって最善の治療を提供できるようになります。
高崎ハルナモ歯科では、地域の皆さまに「来てよかった」と心から感じていただける歯科医院を目指し、日々診療に取り組んでいます。一般歯科治療はもちろんのこと、インプラント、矯正治療、ダイレクトボンディング、審美歯科といった、専門性の高い治療においても、常に最新の知識と技術を取り入れ、質の高い医療を提供できるよう、院長以下スタッフ一同、研鑽を重ねております。
今回参加したYT臨床矯正セミナーでの学びも、すぐに日々の診療に活かし、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療計画の立案と、より精密で質の高い矯正治療の提供に役立ててまいります。
お口に関するお悩みは、些細なことでも構いません。歯の痛みや歯茎の腫れはもちろんのこと、歯並びに関するご相談、審美的なお悩み、入れ歯やインプラントについてなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。高崎ハルナモ歯科は、皆さまの健康で美しい笑顔のために、全力でサポートさせていただきます。
私たちは、皆さまのお口の健康を通じて、全身の健康と豊かな生活を支えたいと願っています。ぜひ一度、当院にご来院いただき、お気軽にお話しください。皆さまのお越しを心よりお待ちしております。