詰め物・被せ物が取れたまま放置するとどうなる?歯を失うリスクと早期受診のすすめ
- 2026年5月14日
- 虫歯・予防
監修:高崎ハルナモ歯科 院長 深澤 充(歯科医師・口腔外科出身)
「詰め物が取れたけど、痛くないからそのうち行こう」。そう思って数週間、数ヶ月が過ぎてしまった——そんな方は意外と多くいらっしゃいます。
忙しかったり、歯医者が苦手だったり、予約が取れなかったり。理由はさまざまですが、放置した結果として来院されたときには、最初に歯医者に行っていれば数千円で済んだ治療が、数十万円の大がかりな処置になっていた——というケースを、当院でも何度も経験しています。
ここでは、詰め物・被せ物・銀歯が取れたまま放置すると実際にどうなるのかを、期間ごとに具体的にお伝えします。「まだ痛くないから大丈夫」と思っている方にこそ読んでいただきたい内容です。
放置するとどうなるか?期間別に見るリスク
数日〜1週間:虫歯菌が入り込み始める
詰め物や被せ物が取れた直後は、削られた歯の内部(象牙質)がむき出しの状態です。象牙質はエナメル質よりもやわらかく、虫歯菌が侵入しやすい構造です。取れた直後であれば、元の詰め物を再装着するだけで済むケースが多く、来院回数も1回で終わることがほとんどです。
数週間〜1ヶ月:虫歯が進行し始める
むき出しの象牙質に虫歯菌が定着し、虫歯が目に見えるスピードで進行し始めます。冷たいものや甘いものがしみる症状が出てくるのもこの時期です。この段階でも、虫歯を削って新しい詰め物を入れることで対処できます。ただし、元の詰め物の再装着はもう難しく、新しく作り直す必要があります。
数ヶ月:神経に到達するリスクが高まる
放置が数ヶ月に及ぶと、虫歯が歯の神経(歯髄)にまで達する可能性が高くなります。ズキズキとした自発痛が出ることもあれば、神経が死んでしまい痛みを感じなくなることもあります。神経まで虫歯が進んだ場合は、根管治療(歯の神経を取る治療)が必要になり、治療回数は5〜10回程度に増えます。
半年〜1年以上:抜歯に至るケースも
長期間の放置で最も怖いのは、歯そのものを失ってしまうことです。虫歯が歯の根まで達すると、歯根が感染を起こし、膿がたまります。歯の壁が薄くなって割れてしまうこともあります。こうなると歯を残すことが難しくなり、抜歯が必要です。
さらに、抜歯後にそのまま放置すると今度は別の問題が起きます。隣の歯が傾いてきたり、噛み合っていた反対側の歯が伸びてきたりして、噛み合わせ全体が崩れ始めます。1本の歯の放置が、口全体のトラブルに波及するのです。
抜歯後は、インプラント(税込363,000円〜)、ブリッジ、入れ歯のいずれかで欠損を補う治療が必要になります。最初に詰め物が取れた段階で来院していれば、数千円〜数万円で済んだ治療が、数十万円の治療になってしまうのです。
「痛くないから大丈夫」が一番危険な理由
「まだ痛くないから大丈夫」——放置する理由としてもっとも多いこの判断が、実は最も危険です。
神経を取った歯は痛みを感じない
過去に神経を取る治療(根管治療)を受けた歯に被せ物をしていた場合、被せ物が取れても痛みのセンサーがありません。虫歯が歯根まで進行しても、歯茎が腫れるまで気づかないことがあります。痛みがないことは「問題がない」ことの証明にはなりません。
ゆっくり進行する虫歯は自覚しにくい
虫歯は急に激痛が走るものばかりではありません。じわじわと進行するタイプの虫歯は、自覚症状がないまま歯の内部を蝕んでいきます。銀歯や被せ物の下の二次虫歯は、まさにこのタイプ。当院では歯科用CTで肉眼やレントゲンでは見えにくい虫歯も3Dで確認しています。
放置してしまった方へ:今からでも治療はできます
「何ヶ月も放置してしまって、恥ずかしくて行きにくい」という声をよく聞きます。ですが、歯科医院のスタッフは放置してしまったことを責めることはありません。むしろ「今来てくれてよかった」と思っています。
歯の状態に応じた治療の目安
虫歯が浅い段階:新しい詰め物や被せ物で修復(1〜2回の来院)。虫歯が神経に到達:根管治療+被せ物(5〜10回の来院)。歯根が感染・破折:抜歯+インプラントやブリッジ(数ヶ月の治療)。
どの段階であっても、まずは歯科用CTで正確に現状を把握することが出発点です。高崎ハルナモ歯科では、口腔外科出身の院長が精密に診断し、歯を残せる可能性を最大限に追求します。
複数の歯をまとめて治したい方には短期集中治療も
放置期間が長いと、複数の歯に問題を抱えている場合があります。「何本も治療が必要で、何度も通うのが大変」という方には、1回の診療で複数の処置をまとめて行う短期集中治療にも対応しています。通院回数を減らしながら、効率的に治療を進められます。
よくある質問
詰め物が取れても痛くありません。放置しても大丈夫ですか?
痛みがなくても放置は危険です。詰め物の下の象牙質はむき出しの状態で、痛みを感じないまま虫歯が進行するケースがあります。特に神経を取った歯は痛みのセンサーがないため、気づいたときには抜歯が必要なレベルまで悪化していることも珍しくありません。
銀歯が取れて半年以上放置しています。今から行っても治療できますか?
はい、まだ治療できる可能性は十分にあります。ただし放置期間が長いほど、虫歯の進行や歯の破折が起きている可能性が高くなります。歯科用CTで現状を正確に診断し、残せる歯であれば最善の治療をご提案します。まずは早めにご相談ください。
詰め物が取れたまま1年放置したらどうなりますか?
1年の放置で、虫歯が神経に到達して根管治療(神経を取る治療)が必要になるケースが多くあります。さらに悪化すると歯の根が感染を起こし、抜歯→インプラントや入れ歯という大がかりな治療が必要になることもあります。
放置してボロボロになった歯でも治療できますか?
歯の根が残っていれば、根管治療を行って被せ物で修復できる場合があります。歯の根まで割れてしまっている場合は残念ながら抜歯になりますが、その後はインプラントやブリッジなどで噛む機能を回復できます。当院では歯科用CTで歯根の状態まで確認し、可能な限り歯を残す方針で治療を行います。
久しぶりの歯医者で恥ずかしいのですが大丈夫ですか?
まったく問題ありません。当院には「何年も放置してしまった」という方が多く来院されます。お口の状態を責めることは一切ありませんので、安心してお越しください。現状を正直にお伝えいただくことが、最善の治療計画を立てるために大切です。
まとめ
詰め物や被せ物が取れたら、できるだけ早く歯科を受診する。これが治療を最小限に抑えるための鉄則です。放置する期間が長くなるほど、治療の回数も費用も増えていきます。
「もう手遅れかもしれない」と思っている方も、まずは現状を正確に把握することが第一歩です。高崎ハルナモ歯科は群馬県高崎市箕郷町のコープハルナモ内にあり、土日も19時まで診療。歯科用CTで精密に診断し、歯を残せる方法を最大限に探します。お電話(027-393-6173)またはWeb予約から、まずはご相談ください。



